名作に生み出された悪役たちが放つ圧倒的なリアリティは、演じる俳優たちの異常なまでの執念と犠牲の上に成り立っている。そこには、一般のニュースでは報じられない数々の衝撃的な未公開エピソードが存在する。
ヒース・レジャーがジョーカー役に挑む際、ホテルの部屋に1ヶ月以上閉じこもり、日記をつけながら独自の声を模索し続けたエピソードは有名だが、現場関係者の新たな証言によれば、彼はカメラが回っていない時間もスタッフとの会話を拒み、完全にキャラクターの精神状態を維持していたという。また、ホアキン・フェニックスが20キロを超える過酷な減量を行って臨んだ現場では、肉体的な限界からくる研ぎ澄まされた神経過敏がそのまま劇中の鬼気迫る演技へと昇華された。
アル・パチーノもまた、『スカーフェイス』の撮影終盤、役柄の荒んでいく精神状態に引っ張られ、共演者やスタッフに対して劇中そのままの威圧感で接していたとされる。名優たちが己の魂を削って生み出した「狂気」の裏側には、常に正気と狂気の狭間を綱渡りするような凄絶なドラマが存在したのだ。