愛犬の身元を証明するアイテムには「迷子札」「マイクロチップ」「狂犬病予防法に基づく鑑札」の3種類が存在します。これらを混同し、「マイクロチップを入れているから迷子札は不要」と誤解している飼い主は少なくありません。しかし、現場の保護活動や防災対策において、これら3つの役割と効力は明確に異なります。
2026年6月に改正施行された動物愛護管理法により、ブリーダーやペットショップで販売される犬猫へのマイクロチップ装着・登録が義務付けられました。しかし、マイクロチップは体内に埋め込まれているため、専用の読み取り機(スキャナー)を持つ動物病院や保健所、警察署でなければデータを確認できません。散歩中に保護してくれた近隣住民が、その場ですぐ飼い主に電話をかけることは不可能です。
一方、市区町村から交付される「鑑札」は法的な登録証明書ですが、刻印されているのは登録番号のみであり、発見者が直接飼い主を特定するには自治体の開庁時間内に照会手続きを踏む必要があります。夜間や休日の脱走では照会が滞り、保護が翌営業日以降にずれ込む重大なタイムロスを生みます。これに対し、犬の迷子札は発見者が目視した瞬間に飼い主へ直通電話をかけられる唯一のツールです。