アダモちゃんが単なる「騒がしいキャラクター」で終わらなかったのは、島崎俊郎さんの並々ならぬ肉体鍛錬と芸に対する真摯な姿勢があったからに他なりません。
島崎さんは学生時代、水球の選手として国体に出場した経験を持つ筋金入りのアスリートでした。あの腰を低く落とした独特のステップ、何分間も全力で奇声を上げながら跳び回り続けるスタミナは、強靭な肉体とインナーマッスルに裏打ちされたプロの技でした。
「アダモちゃんを演じる時は、1ミリでも照れがあったら成立しない」――島崎さんは生前、インタビュー等でそう語っていました。楽屋を出てからスタジオの照明が消えるまで完全にアダモちゃんになりきり、白塗りメイクと腰みの姿でスタジオを駆け巡る姿は、妥協を許さない表現者の生き様そのものでした。