テーマパーク産業の動向を観察すると、現代の消費レジャーは「短時間で受動的な興奮を得られるアトラクション重視型」と、「世界観の細部に自らの感性を重ね合わせる没入・鑑賞型」へ明確に二極化しています。
愛知県のジブリパークは、明らかに後者の極北に位置する文化施設です。ここを訪れて「生涯忘れられない思い出になった」と心から満足する人と、「二度目はもう行かない」と落胆する人の境界線は、レジャーに対する心理的スタンスにあります。
【おすすめできる人】
- スタジオジブリ各作品の物語や美術設定、小道具のディテールを愛している人
- 看板や標識のない森の中を歩き、自ら隠されたオブジェや工夫を探す行為を楽しめる人
- 建築、インテリア、職人の手仕事に対する造詣や鑑賞眼を持っている人
- 日常の喧騒から離れ、緑豊かな公園空間でのんびりとした散策を慈しめる人
【おすすめできない(慎重になるべき)人】
- ジェットコースターやVR演出など、スピード感とスリルを最優先したい人
- すべてがワンストップで完結し、長距離の屋外歩行を極力避けたい人
- 作品のストーリーやキャラクターをほとんど知らず、派手なインスタ映えのみを求める人
- スケジュールを分刻みで詰め込み、効率だけを求めて巡りたい人
受け身の姿勢で「何か面白いことを提供してくれるだろう」と構えていると、広大な公園の移動距離や展示の静けさに疲弊してしまいます。反対に、「自ら映画の登場人物になりきって、日常の痕跡を覗き見に行く」という能動的な好奇心を持って門をくぐれば、世界中のどこにもない唯一無二の贅沢な時間が広がっています。