店頭でマスクが買えない状況が発生すると、「生産がストップしているのではないか」と不安になりがちですが、実態は異なります。国内メーカー各社はフル稼働体制を敷いており、最新のマスク供給状況を見ても全国的な総供給量が極端に落ち込んでいるわけではありません。
それでも棚が空になる最大の理由は、突発的な需要のスパイク(急増)と心理的なまとめ買いにあります。花粉の飛散予報や感染症アラートが出た瞬間に消費者が一斉に数箱単位で購入するため、店舗側が設定している日々の発注・補充上限を一気に突破してしまうのです。
また、製品自体の原料となるポリプロピレン不織布の調達リードタイムや、物流倉庫から各店舗へのトラック配送頻度には物理的な限界があります。マスク不足の原因と真相を探ると、供給ルート全体が破綻しているのではなく、店舗への「補充スピード」が消費者の「購入スピード」に追いつかないタイムラグこそが品薄の実態です。