古関裕而の生涯は、日本の戦争の歴史と切り離せない。戦時中、戦意高揚のための「軍歌」を作曲せざるを得なかった苦悩。自分が作った歌に送り出され、戦地で散っていった若者たちへの贖罪の念。ドラマ後半で描かれたこの重苦しいテーマは、多くの視聴者の胸を締め付けた。
戦後、彼が「栄冠は君に輝く」や「鐘の鳴る丘」など、人々を勇気づける歌を貪るように作ったのは、過去への後悔と、音楽でしか救えない命があるという強い信念があったからだ。閉塞感と不安が漂う現代社会において、彼の音楽が再び求められるのは、単なる娯楽ではなく、傷ついた心を再生させるための「祈り」が込められているからに他ならない。