大手ペット保険会社「アニコム損保」が公表する保険金請求データによれば、膝蓋骨のトラブルは小型犬の保険請求理由において常に上位へ位置している。これには先天的要因と後天的要因の二つの軸が存在する。
遺伝的な要因としては、小型犬遺伝性疾患としての側面が大きい。生まれつき大腿骨の溝が浅い、あるいは筋肉や靱帯の付着位置に異常がある個体が多く、ブリードの過程で特定の発症リスクが受け継がれてきた経緯がある。
一方で、現代の住環境が病状の悪化に拍車をかけている点は無視できない。滑りやすいフローリング床、ソファやベッドからの飛び降り、肥満による関節への過重負荷など、都市生活ならではの環境因子が関節へ恒常的なダメージを与える。特に体重が100グラム増えるだけでも、小さな関節にかかる負担は数倍へと跳ね上がる。