原作の持つ繊細な空気感を見事に実写映像へと昇華させたのが、BSスカパーで放送された実写ドラマ『I"s』だ。当時、実写化に対して懐疑的だった原作ファンを唸らせたのは、主人公・瀬戸一貴を演じた俳優の岡山天音によるリアリティ溢れる演技だった。
岡山天音は、一貴が持つ泥臭さや情けなさ、そして土壇場で見せる誠実さを余すところなく体現してみせた。CGに頼らない丁寧なロケーションと、90年代の空気感を忠実に再現した美術セットも相まって、原作の「名シーン」を見事に三次元に描き出した名作として、現在も高い評価を受けている。