多くの人が「肉球=丸を4つ並べたもの」と大雑把に捉えがちですが、リアリティと説得力のあるイラストを描くためには、まず生物学的な構造の違いを把握することが第一歩です。
肉球は専門用語で、中央の大きなクッションを「掌球(しょうきゅう/前足)」または「足底球(そくていきゅう/後足)」、指先にある小さなクッションを「指球(しきゅう)」と呼びます。この2箇所の形状バランスこそが、猫の肉球イラストと犬の肉球イラストを決定づける最大の分岐点です。
猫の手肉球イラストをデザインする際、最大のポイントは「掌球の下部にある3つの山(くびれ)」です。上部に2つの膨らみ、下部に3つの膨らみがあるクローバーのような形状をしており、指球は米粒やしずく型のようにやや縦長に配置されます。また、猫は歩行時に爪を完全に収納するため、一般的な立ち姿や足跡のイラストに爪を描き込むと不自然な印象を与えてしまいます。
対照的に、犬の肉球イラストにおける掌球は、下部の切れ込みがほとんどなく、全体として「丸みを帯びた逆三角形(または大きなおにぎり型)」に近い構造をしています。指球も猫に比べて丸く頑丈で、歩行時にも地面を捉える太い爪が常に出ているため、指球の先端に鋭い三角形の爪を描き足すことで一目で犬と識別できるプロ級の仕上がりになります。