多くのファンが知っているようで深くは知らないのが、前述した「初代」と「2代目」の交代劇のディテールだ。なぜFukaseは、初代が去った後もピエロというキャラクターを廃止しなかったのだろうか。
それは、SEKAI NO OWARIというバンドが、単なる4人組のロックバンドではなく、「ファンタジーと現実の境界線」を表現するプロジェクトだからだ。ピエロというアイコンは、バンドの世界観を象徴する絶対的なピースだった。もし初代の脱退とともにピエロが消えていたら、初期のダークファンタジーな世界観は成立していなかったかもしれない。
2代目を引き受けるにあたり、現在のDJ LOVEは相当な覚悟を持っていたとされる。他人のキャラクターを引き継ぎ、一生顔を出さずに活動するというのは、表現者として決して簡単な決断ではない。しかし彼は、Fukaseたちの音楽と夢を支えるために、その重いマスクを被る道を選んだのだ。