動画配信サービスの全盛期である現在、NetflixやAmazon Prime Videoといったプラットフォームは、世界中のユーザーに膨大なコンテンツを提供する一方で、作品の「サイレント消去」という新たな課題を突きつけている。世界規模のライセンス契約の終了、出演者の不祥事に伴う世界的配信取りやめ、さらにはグローバルな倫理基準に基づくモザイク処理やカット修正など、デジタルコンテンツは常に変更と消滅の危機に晒されている。
物理的なDVDやBlu-rayが製造されなくなり、デジタル配信依存が強まった結果、一度プラットフォームから除外された作品は再視聴が著しく困難になる。物理メディアの時代には「中古市場」や「レンタル店」が作品の安全網として機能していたが、サブスクリプション主導の現在では、プラットフォーマーの一方的な判断で文化資産が「公式の黒歴史」として抹消されかねないリスクが浮き彫りとなっているのだ。