主人公が死亡する作品を単なる「胸糞アニメ」「鬱アニメ」と一括りにするのは早計です。物語構造を正しく理解する上で重要なのが、「メリーバッドエンド(Merry Bad Ending)」の概念です。
メリーバッドエンドとは、「客観的には悲劇・破滅(Bad)だが、当事者たちにとっては幸福・救済(Merry)である結末」を指します。例えば、どれほど過酷な運命で命を落としても、本人が最も大切にしていた約束を守り抜き、満足して息を引き取った場合、それは当事者にとってのハッピーエンドとなります。
観客が感じる「言いようのない切なさと美しさ」は、この主観と客観のギャップから生まれます。物語を表面的な生存・死亡の二元論だけで測るのではなく、主人公が自らの死によって何を獲得したのかを見出す視点こそが、作品の真価を味わう鍵となります。