SNSやネット掲示板、各種法律相談サイトでは、安易に永代供養を選択したことで後悔と親族間トラブルに苛まれる当事者の声が後を絶ちません。現場の取材から浮かび上がった主な後悔要因は、以下の3点に集約されます。
第1に、「合祀墓へ埋葬した後に遺骨を二度と回収できない」という不可逆性です。生活費の逼迫や墓の管理負担から逃れたい一心で最も安価な合葬プランを選んだものの、数年後に経済状況が好転した親族から「やはり先祖代々の墓を建て直して遺骨を引き取りたい」と言われ、取り返しのつかない事態に陥るケースが多発しています。他人の遺骨と完全に混ざり合ってしまうため、法律的にも物理的にも分骨や改葬は不可能です。
第2に、「相談なしに決めたことに対する親族からの激しい非難」です。「親を無縁仏のようにぞんざいに扱った」「冷たい人間だ」と兄弟姉妹や叔父叔母から責め立てられ、法事のたびに親族関係が修復不可能なほど冷え切ってしまう事例が散見されます。当事者にとっては合理的な決断であっても、昭和・平成の伝統的な墓所観を持つ年配の親族にとっては受け入れがたいショックとなる現実を軽視してはなりません。
第3に、「お参りの実感が湧かない寂しさ」です。近代的なビル型納骨堂や屋外の合同モニュメントでは、墓石に水をかけたり線香を手向けたりする行為が制限されていることが多く、「手を合わせても先祖と対話している感覚が得られない」という心理的喪失感を吐露する利用者が一定数存在します。