上戸彩:完璧な造形の一致と「国民的」アイコン性
上戸彩がデビューした当時、オスカープロモーションが打ち出した「平成の山口百恵」というブランディングは、単なる宣伝文句にとどまりませんでした。デビュー初期のショートヘアスタイル、涼やかな目元、少しはにかんだような笑い方は、当時のリアルタイム世代に『としごろ』や『ひと夏の経験』の頃の山口百恵を強烈に想起させました。健康的でありながら、ふとした瞬間に見せる大人びた翳りが、まさに初期百恵の写し鏡だったといえます。
平手友梨奈:時代の空気を切り裂く「反逆と孤高のカリスマ性」
平手友梨奈と山口百恵の類似は、顔立ち以上に「時代の寵児としての精神構造」にあります。『サイレントマジョリティー』や『不協和音』で見せた圧倒的な眼力、大人社会への迎合を拒むパフォーマンスは、『イミテイション・ゴールド』や『プレイバックPart2』で歌謡界の常識を覆した山口百恵の姿と完全にリンクします。自著『蒼い時』で「歌うときは常に闘いだった」と振り返った百恵の内省的リアリズムが、平手のステージングにも宿っています。
門脇麦:湿度を帯びた「昭和的陰影とリアリズム」
門脇麦は、映画やドラマのスクリーンにおいて「湿度と重量感」を表現できる稀有な女優です。山口百恵が主演した映画『伊豆の踊子』や『絶唱』で見せた、過酷な運命に耐え忍びながらも凛として立つ女性像。門脇麦の持つ、どこか世俗から浮き世離れした独特の静けさとアンニュイな唇のニュアンスは、後期百恵の持つ映画女優としての凄みを受け継いでいます。