かつて経済産業省で官僚としてキャリアを重ねた岸氏は、日本の産業構造の歪みや行政の内情を骨の髄まで知る人物だ。小泉政権下では、当時大臣を務めていた竹中平蔵氏の補佐官として内閣官房等に出向し、郵政民営化をはじめとする構造改革の最前線で激務をこなした。この現場経験こそが、現在の彼の議論の頑強な土台となっている。
官界を退いた後は、慶應義塾大学大学院の教授として教鞭を執り、次世代の人材育成に励む傍らで言論活動を本格化させた。政策の裏側を知り尽くした「元当事者」の視点は、既存の枠組みにとらわれない斬新な分析を生み出し、瞬く間に言論界での確固たる地位を築くこととなった。