個人事務所「オフィスにの」を設立し、独立という大きな舵を切ってから時間が経過した。自らスケジュールの調整や営業活動の方向性を決定する環境へとシフトしたことで、作品選びや現場での立ち振る舞いには明確な深化が見られる。従来の枠組みを超え、ひとりのプロデューサー兼役者として芸能界を縦横無尽に泳ぎ回る姿は、業界内でも高く評価されている。
現場での彼は、常にフラットだ。制作陣とのやり取りにおいても変固たる意志を持ちながら、現場の空気を一瞬で和らげる軽妙な語り口は健在。自らの城を持ち、責任を一身に背負う立場となったことで、かえって肩の力が抜け、より自由で柔軟な表現へと昇華されている印象を受ける。