息をもつかせぬ展開を支えたのは、主役を取り巻く豪華キャスト陣の凄まじい熱量だ。完璧な御曹司から嫉妬と執着に狂っていく並樹尊氏を演じた新田真剣佑の変貌ぶりは、見る者を戦慄させた。端正な顔立ちが崩壊していく過程は、サスペンスドラマとしてのスリルを極限まで押し上げている。
さらに、物語の影のキーマンとして圧倒的な異彩を放ったのが菅田将暉だ。謎めいたホームレスのストリートミュージシャン・春海一徳として飄々と立ち回りながら、要所要所で登場人物たちの運命を操る。彼が歌う主題歌「さよならエレジー」の哀愁を帯びたメロディは、ドラマの世界観と完璧に共鳴し、登場人物たちの救われない魂を包み込む鎮魂歌として鳴り響いていた。