教育内容や日々の生活サイクルにおいて、保護者の実感にはどのような差があるのでしょうか。取材班が実際の通園家庭や現役保育士・幼稚園教諭に聞き取りを行ったところ、カタログスペックでは見えない生々しい運用実態が浮き彫りになりました。
都内のIT企業でフルタイム勤務を行いながら、私立幼稚園の預かり保育を利用して長男を通わせた保護者は次のように語ります。
「預かり保育が18時まであるため両立できると考えましたが、実際には水曜日の午前保育や創立記念日、夏休み中の特定除外日など、イレギュラーな休園日が多く発生しました。夏休みの預かり保育は毎日お弁当作りが必要で、朝の準備負担が想像以上でした。また、PTA活動や運動会の係業務が平日日中に組まれることが多く、有給休暇のやりくりに苦心しました」
一方、0歳児から認可保育園に娘を預けている保護者からは、生活支援の厚さを評価する声が目立ちます。
「朝7時半から夕方18時半まで手厚く預かってもらえ、毎日の完全給食とおやつ、おむつのサブスク対応まで整っているため、仕事と育児の破綻を防げています。生活リズムやトイトレ(排泄の自立)、衣服の着脱など、基本的な生活習慣を園主導で身につけさせてくれた点には感謝しかありません」
教育面での違いについても現場の声は明確です。幼稚園は設定保育(音楽、絵画、体育、文字指導、英語など)の時間が明確に時間割化されており、行事の完成度や集団行動の規律を重視する傾向があります。これに対し保育園は、子ども主体の自由遊びや探究活動、異年齢交流を軸に据えながら、日常生活全般を通じた社会性の涵養に重きを置く園が多数を占めます。