同じ「並太」と記載されていても、素材が異なると糸の膨らみ(バルキー性)や重量感が劇的に変わります。手芸愛好者のコミュニティでも「指定と同じ太さのアクリル糸を買ったのに、編み上がりが硬くて小さくなった」という相談が後を絶ちません。
アクリル100%の糸は繊維が詰まっており、ウールのような自然なクリンプ(縮れ)が少ないため、編地が平坦になりやすい傾向があります。対して、羊毛(ウール)は空気をたっぷり含むため、同じ重さでもふっくらと仕上がり、針にかかるテンションの許容範囲が広くなります。
さらに夏向けのサマーヤーン(コットンやリネン、レース糸)は比重が重いため、40gあたりの糸長がウールに比べて短くなります。太さの見た目だけでウールからコットンへ素材を変更すると、作品全体の重量が1.5倍近く重くなり、着用時に自重で編地が伸び垂れてしまうトラブルが発生します。
特に撚りがほとんどかかっていない「超極太ロービングヤーン」は、極めて軽く柔らかな質感が魅力である一方、摩擦に弱く毛羽立ちやすいため、摩擦の多い靴下や手袋には不向きです。素材ごとの比重と弾力性の差異を理解することが、適切な太さ選びの前提となります。