特定医療費受給者証を取得した場合、医療費の自己負担割合は通常の3割から2割へと軽減されます。さらに、世帯の所得状況に応じて「1か月あたりの自己負担上限額」が設定され、どれほど高額な治療や入院を重ねても上限額以上の支払いは免除されます。
以下の表は、世帯所得ごとの月額自己負担上限額と、制度利用に伴う現実的な比較データをまとめたものです。
受給者証を取得するメリットは金銭面だけに留まりません。自己負担上限額管理票を活用することで、大学病院、クリニック、調剤薬局をまたいだ同一月内の支払いが一元管理され、過剰な支払いを確実に防ぐことができます。また「高額かつ長期(医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上)」の特例を満たせば、上位所得者でも上限額が大幅に減額されます。
デメリットとしては、毎年の更新時に発生する書類準備の煩雑さ、役所への出頭手続き、そして数千円に及ぶ診断書作成費用が挙げられます。5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤を少量服用するだけで体調が完全に安定している上位所得者の場合、毎月の薬代が上限額の30,000円に届かず、受給者証を持っていても実質的な恩恵を受けられない「逆転現象」が起きる点には留意が必要です。