可憐なルックスと男子を翻弄する完璧な仕草。学校中の視線を一身に集める胡桃沢梅だが、その内面には「他人に本当の自分を見せない」という深い防衛本能が張り巡らされていた。風早翔太への執着にも似た恋心は、単なる打算ではない。過去の孤独や人間関係のトラウマから生まれた、切実な救いの要求だったのだ。
失恋を経てなおプライドを捨てず、惨めな姿を晒しながらも自分の足で立ち上がった彼女。その姿は「嫌われ役」から一転、少女漫画史上屈指の愛されキャラへと昇華した。己の弱さを認め、他者と正面から向き合う覚悟を決めた瞬間こそ、彼女の真の恋の始まりだったと言える。