ストリートカルチャーの専門用語だったバイブスが、お茶の間の誰もが知る言葉へと変貌を遂げた背景には、2010年代のギャルカルチャーが存在します。
その最大の火付け役となったのが、人気リアリティ番組『テラスハウス』に出演していたモデルの今井華さんです。彼女が番組内で頻繁に口にした「バイブス高め」「バイブス上がってきた」といったフレーズが若者の間で大反響を呼び、2013年には「ギャル流行語大賞」の第1位を獲得しました。
ギャルカルチャーにおいてバイブスは、単なる音楽用語から「自分たちのテンションやノリ、共感の度合い」をストレートに表現する万能ツールへと進化しました。難解な説明を省き、感覚を一瞬で共有できる手軽さが、SNSの普及期と完璧に合致したことで、一過性の流行にとどまらず日常語としての地位を確立したのです。