テレビの全体カメラや公式のライブDVDでは、歌唱パートを担当するメンバーを中心にスイッチングが行われます。そのため、自分の推しがバックダンサー位置に下がったり、ステージの端で他のメンバーとアイコンタクトを取ったりする瞬間は映像に残りません。
ファンカム最大の魅力は、「曲の最初から最後まで、推しの一挙手一投足だけを視界に収め続けられる」という点にあります。指先の繊細な動き、激しいフォーメーション移動の合間に見せる息遣い、暗転中のふとした笑顔など、従来のメディアではカットされていた「リアリティの断片」がファンの心を捉えて離しません。
さらに、ファンカムはアイドルの運命を一変させる起爆剤としても機能してきました。その象徴が、2014年に撮影されたEXIDハニの『UP&DOWN』ファンカムです。解散危機にあったグループが、1本の個人撮影ファンカムがSNS上で爆発的に拡散されたことを機に音楽配信チャートを急浮上し、地上波音楽番組で1位を獲得する「チャート逆走劇」を演じました。以降、K-POP業界ではファンカムのバイラル効果がプロモーションの中核として組み込まれるようになっています。