「教科書を閉じてください。今日の課題は、この街のゴミ問題を予算ゼロで解決するプロトタイプを作ることです」。ある日の授業は、そんな突飛な指令から始まる。黒板に向かってノートを取る生徒は一人もいない。机の上にあるのは、数台のタブレットと、段ボールや3Dプリンターのパーツだけだ。かつての詰め込み型教育の対極にあるこの光景こそが、日常の風景となっている。
背景にあるのは、大学入試改革と社会が求める人材要件の劇的な乖離だ。2026年現在、主要な大学の多くがペーパーテスト偏重の一般入試枠を縮小し、総合型選抜の比率を大幅に引き上げた。知識の量ではなく、「あなたは何がしたいのか」という当事者意識が問われる時代。この急激な変化に対応できなくなった従来の学習塾が淘汰される一方で、新たな学びのプラットフォームが急速に台頭している。