しかし、どれほど優れた特性を持つ食品であっても、無条件の万能薬として扱うのは危険だ。ゴマを取り入れる際に多くの人が陥る第一の落とし穴は、その「硬い外皮」にある。生のまま、あるいは粒の状態で大量に摂取しても、皮が消化を阻害して成分が吸収されないまま排出されてしまう。
さらに見落とせないのが、ゴマの約50%が脂質で構成されているという事実だ。健康に良いからと過剰に食べ続ければ、当然ながら脂質やカロリーの過剰摂取につながり、本末転倒の結果を招く。また、保存状態が悪く酸化が進んだ古いゴマや油は、体内で有害な過酸化脂質を形成するリスクすらある。「体に良いからたくさん摂る」という単純な思考を捨て、物事の裏側にある定量的リスクを把握しなければならない。