キューサイ青汁のCMが放送された当時、健康食品や飲料のコマーシャルといえば「おいしい」「爽やか」とポジティブな感想を伝えるのが絶対的なセオリーでした。その常識を完全に破壊したのが、八名信夫さんの「まずい!もう一杯」という一言です。
この歴史的フレーズの元ネタは、計算された脚本ではなく、撮影現場で起きた完全なハプニングとアドリブでした。当時用意された青汁は、飲みやすく加工された現代の粉末青汁とは異なり、搾りたての国産ケール100%の生ジュース。独特の青臭さと強烈な苦味を持つ本物でした。
当初の台本では青汁を飲んだ後に「体に良さそうだ」といった無難なコメントをする予定でしたが、一口飲んだ八名さんはそのあまりのまずさに思わず「まずい!」と本音を吐き出してしまいます。NGテイクかと思われた瞬間、八名さんは機転を利かせ「でも、体にいいんだよな。もう一杯!」と言葉を続けました。この飾らないリアクションのリアリティに目をつけた制作陣とクライアントが決断を下し、日本中を席巻する名CMが誕生しました。