生首刺青に対して「呪いや不吉なことが起きるのではないか」と懸念する声は少なくありません。しかし、和彫りの伝統的な文脈において、生首は極めて格の高い「魔除け」と「大吉兆の縁起物」として位置づけられています。
日本古来の民間信仰では、「あらかじめ最悪の事象(死)を身にまとうことで、それ以上の災難を避ける」という「逆転の呪術(身代わり信仰)」が存在します。生首の刺青を肌に刻むことは、降りかかる病魔や不慮の事故を生首が身代わりとなって引き受けてくれる盾の意味を持つのです。また、「敵の首級(しゅきゅう)をあげる」という戦国の勝敗基準から転じて、ビジネスや勝負事において「首を取る=出世・立身出世・金運上昇」をもたらす招福のシンボルとしても重宝されてきました。