生花店や通販サイトを見ると、「ピンクのカサブランカ」「黄色のカサブランカ」といった表記を目にすることがあります。しかし、植物学的な定義から見ると、これは商業的な通称に過ぎません。本来、真のカサブランカは「完全な純白」の1品種のみを指します。市場でピンクや黄色として売られている大輪ユリは、同じオリエンタル・ハイブリッド群に属する「ソルボンヌ」「マンボ」「イエローウィン」といった別品種です。
とはいえ、現在では大輪のオリエンタルリリー全般を広義の「カサブランカ系」と呼ぶ商慣習が定着しているため、色ごとに込められた花言葉とリスク要因を正確に把握しておく必要があります。
カサブランカと一般的なユリ(テッポウユリやスカシユリなど)の識別ポイントは、「咲く向き」「花弁の斑点の有無」「大きさ」の3点です。テッポウユリがラッパ状に横向き〜やや上向きに咲き、ヤマユリが花弁の内側に赤褐色の斑点を持つのに対し、カサブランカは直径20cmを超える巨大な花がややうつむき加減(下向き〜水平)に咲き、斑点がなく純白の突起のみが広がるという明確な形態的特徴を持っています。