足をボディーソープでゴシゴシ洗っても悪臭が再発する最大の理由は、臭いの発生源が「汗」そのものではない点にあります。足の裏には汗腺の一種である「エクリン腺」が密集しており、1日でコップ約1杯分(約200ml)もの汗を分泌します。しかし、分泌された直後の汗はほぼ無臭です。
問題は、靴や靴下という密閉空間の中で生じる化学反応にあります。足裏の角質層から剥がれ落ちた垢や皮脂、汗に含まれるアミノ酸をエサにして、皮膚に生息する「ブドウ球菌」や「コリネバクテリウム」などの皮膚常在菌が急激に増殖します。これらの菌が脂質やアミノ酸を分解・酸化させるプロセスで生み出されるのが、特定悪臭物質にも指定されているイソ吉草酸(イソきっそうさん)です。
イソ吉草酸は極めて揮発性が高く、ごく微量でも強烈な「納豆のようなツンとした発酵臭」を放ちます。さらに、皮膚表面だけでなく靴下や靴の内張り繊維の奥深くまで浸透・吸着するため、足単体を洗っただけでは靴を履いた瞬間に再び菌が活性化し、わずか数時間で元通りの異臭を放つことになります。