樋口萌が紡ぐ器の世界―伝統と革新が交差する若き陶芸家の軌跡

樋口萌が紡ぐ器の世界―伝統と革新が交差する若き陶芸家の軌跡

樋口萌が紡ぐ器の世界―伝統と革新が交差する若き陶芸家の軌跡の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

樋口萌の器を手に取ると、多くの人が高台の質感に驚く。高台とは器の底部にある台座のことだが、彼女はここに縄目文様を施している。この技法は、縄を粘土に押し当てて文様を転写するもので、古墳時代の土器にも見られる古い技術だ。

なぜ高台に縄目なのか。それは器の裏側にも美意識を持たせるためだ。日本の茶道では、茶碗を手に取り、正面だけでなく裏返して高台を鑑賞する作法がある。樋口はこの伝統的な鑑賞方法を日常の器にも取り入れ、使う人が器の全体を楽しめるよう工夫した。

縄目の質感は手触りも独特だ。滑らかな釉薬面とは対照的に、わずかな凹凸が指先に伝わる。この触覚的な変化が、器を使う行為に小さな発見をもたらす。視覚だけでなく、触覚でも楽しめる器。それが樋口の目指す方向性である。

縄目文様が施された陶器の高台部分
山下 哲也
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山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。