では、目の前にある茶色い異変が安全なものなのか、それとも有害な腐敗なのか。判断の手がかりとなるのは「形状」「におい」「触感」、そして「広がり方」の4要素だ。
全粒粉による斑点は、形が非常に均一で、触っても硬さや湿り気に変化がない。生地全体に規則正しく散らばっており、時間が経っても拡大することはない。焦げの場合は香ばしい苦味臭を伴い、表面にかたく付着しているのが特徴だ。
一方でカビの場合、斑点の周りがうっすらとぼやけており、円形や楕円状に広がる性質を持つ。管理栄養士や現場の食品衛生責任者が指摘するように、においを嗅いだ際に湿った土のようなカビ臭さや酸っぱい異臭がする場合は間違いなく菌類の繁殖だ。また、触ったときにそこだけ柔らかく崩れたり、逆に糸を引くような粘り気が生じたりしている場合は、絶対口にしてはならない。
日本パン工業会の技術資料においても、パン表面の水分活性が高い環境下ではカビ胞子の発芽スピードが著しく増すことが示されている。迷ったときは「匂い」と「斑点の周囲の輪郭」を観察するのが第一歩となる。