競馬界において、三浦皇成という男に課せられた期待は依然として極めて大きい。デビュー年に武豊騎手の記録を塗り替える年間91勝を挙げ、天才の名をほしいままにした彼も、キャリアを重ねてベテランの風格を漂わせるようになった。JRA通算1000勝を超える輝かしい金字塔を打ち立てながらも、彼の胸中には常に満たされない炎が灯り続けている。
それは、悲願であるJRA・G1競走の制覇だ。ホースマン誰もが憧れる日本ダービー(東京優駿)の栄冠、そして年末のグランプリである有馬記念の舞台。幾度となく悔し涙を呑んできた大一番への挑戦は、今も続いている。妻と娘の応援を背に、泥にまみれながら手綱をしごく彼の背中には、家族の夢と競馬ファンの期待が重く力強く宿っている。