だが、情報の爆発的拡散は諸刃の剣でもある。2026年のネット空間には、実写と見分けがつかない緻密なAI生成映像が日常的に流れている。火災の煙のゆらめきや群衆のパニック反応さえ、数秒のプロンプト入力で捏造できてしまう時代だ。
ある大手新聞社の映像デスクはこう吐露する。「送られてくる映像の半分近くに何らかのAI補正や生成の痕跡がある。位置情報データの暗号化認証や、撮影機器のメタデータを瞬時に検証する専用アルゴリズムなしには、とてもじゃないが放送に乗せられない」。投稿された映像が本物か偽物か。デスクの判断ミス一つが、メディアの信用を一夜にして失墜させる緊緊迫した現場がここにある。