「スマートフォンの画面やカメラに触れるだけで熱が測れる」という宣伝を真に受けて失望した経験を持つ人は少なくない。実態として、一般的なディスプレイや標準的なカメラセンサーのみで人体内部の深部体温を正確に測定することは物理的に不可能だ。しかし、専用ハードウェアを統合した最新端末の登場により、その常識は崩れ去りつつある。
2026年現在、実効性のある精度を担保しているのは、端末背面に専用の赤外線(IR)センサーを直接搭載したモデルだ。額から1.5〜2.5センチ程度離した状態でスキャンすることで、ミリ秒単位で皮膚表面の放射熱を検出する。臨床用の非接触体温計に迫る測定精度を実現しているが、外気の影響や発汗の有無といった環境要因に左右される点には注意が必要だ。