引退した力士が日本相撲協会に残り、後進の指導にあたるためには年寄名跡(親方株)の襲名が絶対条件となります。しかし、この年寄株は相撲界全体で105株と厳格に定められており、誰でも自由に手に入れられるものではありません。
親方になるための資格要件には、幕内在位年数や三役以上の在位場所数などの実績基準が設けられています。実績基準をクリアしていても、空き株が見つからなければ協会に残ることはできません。現役時代に輝かしい実績を残した実力派力士であっても、名跡を確保できずに日本相撲協会を退職せざるを得ないケースが度々話題となります。
さらに、近年は親方の部屋継承を巡る問題も複雑化しています。師匠の定年(65歳、再雇用で70歳)に伴い部屋を引き継ぐ後継者選びでは、名跡の所有権や師弟関係、一門内の力関係が大きく影響します。名跡を巡るトラブルを防ぐため、日本相撲協会によるガバナンス改革が進められていますが、年寄株の希少価値の高さは依然として引退力士の進路を左右する最大のハードルです。