打席に立つ背番号17に向けられたのは、割れんばかりの歓声と、ほんのわずかなブーイングだった。ドジャースの青いユニフォームを着てアナハイムのグラウンドを踏む大谷翔平の姿は、いまや見慣れた光景のはずだ。しかし、現地ファンの胸に去来する感情はそう単純ではない。
6年間にわたりエンゼルスのシンボルとして輝き続けた歴史。その記憶はファンの心に今も深く刻まれている。「彼が去った寂しさは消えないが、歴史的なプレーを目の前で見られる幸福感には勝てない」。三塁側スタンドで赤いユニフォームを着た地元ファンは、複雑な心境を明かした。打球が快音を残して夜空へ上がった瞬間、球場全体が一瞬だけ息を呑み、そして爆発的な歓声へと変わる。その空気感こそが、このカードの真骨頂だ。