しかし、電波の上に安住できる時代は完全に終わった。いまや視聴者の可処分時間は、テレビ受像機からスマートフォンやコネクテッドTVへと急速に流出している。
民放公式テレビ配信サービス「TVer」の月間アクティブユーザー数は過去最高を更新し続け、リアルタイム配信や見逃し配信の再生回数が番組の存続を左右する指標となった。もはや「世帯視聴率」だけでスポンサーを説得することは不可能に近い。
さらに、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同展開する「ABEMA」のようなハイブリッド型メディアが独自のスポーツ中継やオリジナル番組で急成長を遂げ、従来の放送と通信の境界線は完全に融解した。キー局各社は、自らを「放送事業者」ではなく「コンテンツプロバイダー」として再定義することを迫られている。