館内の一角には、将棋ファンならずとも訪れるべき特別な空間が存在する。地元・倉敷市出身の偉大な棋士、十五世名人・大山康晴の功績をたたえる「大山名人記念館」だ。展示室には、彼が獲得した数々のタイトル盾や愛用の盤駒、貴重な写真資料がずらりと並び、盤上に全てを捧げた名人の勝負師人生を静かに物語っている。
この場所は単なる資料館にとどまらない。女子将棋界の頂点を決める女流タイトル戦「大山名人杯倉敷藤花戦」の舞台としても全国的に知られている。毎年秋、熱い盤上の勝負が繰り広げられ、全国からファンが熱視線を送る。記念館内には一般市民が将棋を楽しめる対局スペースも併設されており、子供からお年寄りまでが盤を挟んで真剣勝負に興じる姿が日常の風景となっている。