犬山紙子の私生活を語る上で欠かせないのが、2014年8月に結婚した夫・劔樹人(つるぎ・みきと)氏の存在です。劔氏はロックバンド「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシストであり、「神聖かまってちゃん」の元マネージャー、さらには自伝的コミックエッセイ『あの頃。 男子かしまし物語』(松坂桃李主演で映画化)の著者としても知られる異才のクリエイターです。
二人の馴れ初めは、共通の知人を介した音楽イベントとSNSでの交流が発端でした。当時から互いのクリエイティビティと人間性を認め合っていた二人が結婚を決意した最大の理由は、「男性性(マッチョイズム)の押し付けが皆無で、心理的安全性を完全に保てるパートナーシップ」にありました。犬山自身、過去の手記で「自分の弱さや仕事への執着をそのまま受け止めてくれた唯一無二の存在」と語っています。
結婚後の生活スタイルは、従来の昭和的・平成的な「夫=大黒柱、妻=内助の功」という構図を鮮やかに覆しました。収入や業務量のバランスに応じて、劔氏が料理や日常の家事、学校行事の段取りを主担当として担う「主夫」的ポジションを柔軟に引き受けています。2017年1月に出産した第1子となる長女は、2026年現在で9歳(小学校3・4年生)を迎えました。
夫婦間のルールは明快です。家事の負担率をあらかじめ固定するのではなく、週単位・月単位の案件数と精神的リソースに応じてホワイトボードや共有アプリで可視化し、対話によって調整しています。この徹底したロジカルな家族運営こそが、結婚10年を超えてなお円満な関係を維持し続ける秘訣です。