ドラえもん映画が記憶に残り続ける最大の理由は、人間の本質的な優しさを突いたシーンの力強さにあります。
代表的な場面の一つが、『のび太の結婚前夜』におけるしずかちゃんの父親の言葉です。不安を抱える娘に対し、「あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ」と優しく背中を押す場面は、人として何が最も価値あるものなのかを教えてくれます。
また、『おばあちゃんの思い出』で、未来から来たと告げる小学生ののび太を疑うことなく、「こんなに大きくなって」と優しく抱きしめるおばあちゃんの包容力には、何度観ても涙が溢れるという声が絶えません。
さらに、『帰ってきたドラえもん』の結末で見せた、嘘をつく道具「ウソ800」を飲んだのび太の「ドラえもんは帰ってこないんだから」という独白と、その直後に訪れる奇跡の再会は、失意の底から生まれる純粋な感情の爆発として多くのファンの胸に刻まれています。