炊飯器調理における最大の壁が「仕上がりのべちゃつき」です。フライパンで作る伝統的なピラフは、生米をあらかじめバターや油で透き通るまで炒め、米の表面を油膜でコーティングしてからブイヨンを注いで炊き上げます。この油膜が米内部からのデンプン流出をブロックし、一粒一粒が独立したパラパラの食感を生み出します。
しかし、炊飯器調理で生米をそのまま具材と一緒に炊くと、米が急速に吸水する過程でデンプンが外へ溶け出し、糊(のり)状の粘り気が発生します。さらに決定打となるのが、具材に含まれる水分量の誤算です。玉ねぎやピーマンなどの野菜は約90%が水分で構成されており、加熱によって大量の水分を庫内に放出します。通常の白米と同じ目盛りまで水を入れて炊飯器のフタを閉めれば、密閉された釜の中で過剰な水分蒸気に晒され、炊き込みご飯どころかリゾットやお粥のような状態に陥るのは必然といえます。
この失敗を根本から防ぐ対処法は極めてシンプルです。「水分を引く」と「油を先になじませる」という2つのアプローチを徹底することに尽きます。生米を洗った後、ザルに上げてしっかりと水気を切り、調味料を加えた後の水加減を目盛りより数ミリ低く設定するだけで、米の過剰な糊化を完璧に封じ込めることが可能です。