孤立が長期化するなか、ロシア・プレミアリーグの様相は異様な進化を遂げている。西欧からの選手獲得ルートが事実上閉ざされた結果、リーグの資本力は南米やバルカン半島へと向かった。その象徴が、国営エネルギー巨頭を後ろ盾に持つゼニト・サンクトペテルブルクだ。ブラジル人プレーヤーを莫大な資金力で買い集め、国内タイトルの独占を続ける様は、さながら独自のガラパゴス的生態系である。
かつて欧州メガクラブと伍したスポーツビジネスの構造も瓦解した。かつてはDAZNなどの国際プラットフォームや海外テレビ局への放映権販売が外貨獲得の柱だったが、現在は完全な内需依存へシフト。国内ブックメーカー企業による巨額スポンサーシップと公的マネーが、破綻寸前の各クラブを支える命綱となっている。チケット収入の減少を補うためデジタルファンエンゲージメントに活路を見出そうとする動きもあるが、欧州市場から隔絶された閉鎖空間でのマネタイズには明確な限界が漂う。