多くの観客の涙を誘ったバーニングゴジラ最後のシークエンスは、日本特撮史に残る屈指の名シーンとして知られています。
羽田空港から臨海副都心へと舞台を移した最終決戦の末、デストロイアは自衛隊の極低温冷却兵装とゴジラの猛攻によって撃破されます。しかし、ゴジラの体内核融合はもはや誰の手にも止められない臨界点に達していました。ゴジラメルトダウン温度である1200℃に到達した瞬間、ゴジラの巨体は凄まじい光と熱を発しながら自らの肉体を融解させ始めます。
東京全域が死の灰と超高熱で焼き尽くされ、人が二度と住めない死の街へと変貌すると思われたその刹那、自衛隊の超兵器「スーパーX3」および冷凍メーサー車部隊による決死の極低温冷凍弾・カドミウム弾の一斉照射が敢行されました。外側からの急速冷却によって、破局的な大爆発と地殻貫通だけは奇跡的に食い止められたのです。
そして物語は、息を呑む奇跡の結末を迎えます。デストロイアの手にかかり絶命したと思われていたゴジラジュニアが、親ゴジラが死に際に放出した莫大な放射能と生命エネルギーの奔流を全身に吸収。死の淵から完全復活を遂げ、父の熱量をすべて受け継いだ逞しい成体ゴジラとなって、放射能の立ち込める霧の中から堂々たる咆哮を響かせました。この「死と再生」「種の継承」のドラマこそが、バーニングゴジラという存在を唯一無二の伝説たらしめています。