スヌーピーの作者の経歴を紐解くと、幼少期から決して順風満帆とは言えない環境で育ったことが分かります。1922年にミネソタ州ミネアポリスで生まれたシュルツは、内気で運動が苦手な少年でした。競馬漫画の馬にちなんで「スパーキー」という愛称で親しまれた彼は、幼い頃から新聞漫画に強い憧れを抱き、絵を描くことだけに自己表現の活路を見出していました。
しかし、青年期には過酷な試練が相次ぎます。20歳のとき、精神的支柱であった最愛の母ディーナが癌で他界。さらに母の死からわずか数日後、シュルツのもとに第二次世界大戦の召集令状が届きます。ヨーロッパ戦線に従軍し、機関銃小隊の分隊長として凄惨な戦場を経験したことは、彼の心に癒えることのない深い傷と、生命に対する冷徹なまでのリアリズムを植え付けました。
復員後は通信教育学校「アート・インストラクション・スクールズ」で講師を務めながら、漫画家としての道を模索します。幾度となく持ち込みを断られながらも描き続けた末、1950年10月2日、全米7紙の新聞で連載がスタートしたのがスヌーピーの原作コミックである『ピーナッツ(Peanuts)』でした。