世界に名だたる名美術館の多くも、実は美術館単体、あるいはその敷地を含む景観がユネスコの世界遺産に登録されています。いわゆる世界三大美術館に名を連ねる名館と世界遺産の深い関係を見ていきましょう。
まず、年間数百万人もの来館者を集めるフランスのルーヴル美術館は、1991年に登録された世界遺産「パリのセーヌ河岸」の重要な構成資産です。もともと12世紀末に中世の要塞として築かれ、後に歴代フランス王の宮殿となったルーヴル宮そのものが巨大な歴史遺産であり、壮麗な宮殿建築と近代的なガラスのピラミッドが融合した景観は圧巻です。
イタリア・ローマに隣接するバチカン美術館は、国家そのものが1984年に世界文化遺産へ登録された「バチカン市国」の中に位置します。歴代ローマ教皇の膨大なコレクションが並び、ラファエロの間やシスティーナ礼拝堂など、部屋自体がルネサンス美術の最高峰といえる空間美を誇ります。
スペイン・マドリードのプラド美術館も、2026年に「パセオ・デル・プラドとレティーロ公園:芸術と科学の景観」として世界遺産に登録されました。18世紀末の新古典主義建築の傑作であり、王室コレクションを基盤としたベラスケスやゴヤの圧倒的な傑作群が、重厚な空間で迎えてくれます。