順調に見えた子役活動でしたが、思春期を迎えるにつれて「自分は本当にタレントとしてやっていけるのか」という進路の壁に直面します。そんな中、転機となったのが2003年、中学3年生(14歳)の時に出演したテレビアニメ『LAST EXILE』(ホリー・マドセイン役)での声優デビューでした。
本格的に声優の道を意識する決定打となったのは、2006年のテレビアニメ『ゼーガペイン』におけるヒロイン・カミナギ・リョーコ役への抜擢です。当時高校生だった花澤は、声優としての専門的な訓練を受けていなかったため、放送当初はネット上や一部の視聴者から「棒読み」「演技がぎこちない」といった手厳しい声を受けることもありました。
しかし、制作現場の評価は異なっていました。作為のない生々しい感情表現、10代特有の瑞々しいニュアンスを高く評価した音響監督の三間雅文や共演声優の川澄綾子らから「あなたの声と自然体の演技は素晴らしい。声優を続けてほしい」と熱心な後押しを受けます。この言葉に背中を押された花澤は、大学進学を機に2007年に声優事務所「大沢事務所」へ移籍し、声優としての本格的な研鑽を開始しました。