近年の赤紫蘇ジュースブームを語る上で欠かせないのが、食文化を彩るメディアや料理家の存在だ。日本を代表する料理研究家である栗原はるみ氏は、長年にわたり季節の手仕事を現代の暮らしに溶け込む洗練されたスタイルで提案し続けてきた。彼女が紹介する紫蘇シロップのレシピは、シンプルでありながら素材本来の香りを最大限に活かしたものであり、多くの家庭のバイブルとなっている。
さらに、手作り文化の美しさを決定づけたのが、映画『リトル・フォレスト 夏・秋』の存在だ。岩手県奥州の豊かな自然の中で、主人公が畑で採れた新鮮な赤紫蘇を丁寧に摘み取り、自家製シロップを仕立てて冷えた炭酸水で割るシーンは、多くの観客の心を惹きつけた。自然の恵みを自らの手で加工し、季節を味わう生き方。その象徴として赤紫蘇ジュースは、現代人のライフスタイルに深く根を下ろした。