2026年を迎えた現在、日本の賃金制度改革は「単なる制度変更」から「実践的なハイブリッド運用」のフェーズへと深化しています。日立製作所やパナソニック、資生堂、三菱ケミカルといった日本を代表する企業群が口火を切った「ジョブ型雇用への移行」は、いまや中堅・中小企業にも波及しています。
【先行企業の導入事例とアプローチ】
- 日立製作所:国内の全社員を対象に職務記述書を整備し、職務給制度を全面展開。グローバル共通の等級基準を導入し、国内外での人材登用と適正配置を実現。
- 資生堂:管理職層だけでなく一般社員層にもジョブ型・役割等級制度を導入。若手であっても高い成果と責任を担うポジションに就けば、早期に高待遇を得られる環境を整備。
- 富士通:国内グループ全体で従来の職能資格制度を完全に撤廃。自律的なキャリア形成を促す「ポスティング制度(社内公募制)」と職務給を連動させ、人材の流動化を推進。
現在のトレンドは、欧米型の厳格な職務給をそのままコピーするのではなく、日本の法規制や労働慣行に合わせた「日本型ハイブリッド賃金制度」の確立です。管理職には責任と成果に応じた「役割給・職務給」を適用しつつ、基礎的な育成期間である若手社員には生活保障とスキル習得を目的とした一定のベース給を残すなど、複線型の設計を採用する企業が増加しています。