建国以来、国家の舵取りを担い続けているのがサルバ・キール・マヤルディ大統領だ。黒いカウボーイハットがトレードマークの指導者は、強固な権力基盤を維持するために複雑な部族バランスを操ってきた。だが、その統治スタイルには常に批判が付きまとう。対立勢力との過酷な権力闘争、政権内部の汚職疑惑、そして遅々として進まない民主的な選挙プロセスの延期は、国民の失望を深めるばかりだ。
南スーダン共和国としての統合は、紙の上の合意に過ぎないのではないかという疑問が現地を覆う。権力の集中と軍部への強い影響力を背景に、キール政権は国際社会からの改革要求を巧みにかわし続けている。政権批判を行うジャーナリストや人権活動家への圧力は苛烈さを増しており、言論の自由は風前の灯火だ。支配層の利害関係が複雑に絡み合う政治の暗部が、この国の未来を縛り続けている。