この組織の足跡をたどると、大正期に東京帝国大学の有志や渡辺海旭らが提唱した「人道主義とキリスト教精神に基づく奉仕」に突き当たる。関東大震災や第二次世界大戦といった激動の時代を乗り越え、社会福祉法人賛育会は一貫して生活困窮者や地域住民の健康を支え抜いてきた。特に東京都墨田区という歴史ある地域において、医療と福祉を不可分なものとして捉える視点は創立当初から確立されていた。
時代が変わっても、その根底にある「隣人愛」の思想は揺らがない。今日、医療・社会福祉・ヘルスケア産業全体が持続可能性の壁に直面するなか、同会が誇る歴史的アプローチは、単なる懐古趣味ではなく、最新の社会設計における強固な基盤となっている。